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京都精華大学では、概ね専門の必修科目は月、火、水の3日間に集中します。
木、金、土の3日間には選択科目が配され、CG基礎やクロッキーなどを補足出来るようになっています。 

コース時間割りには英語などの教養科目、教職科目や図書館司書課程科目などは、含まれていません。中核の授業は大抵、3・4・5講時の続きで行なわれ、午後いっぱいを実技の授業の課題で過ごします。
複数の先生が担当になっていますが、70名近いクラスをひとりひとり対面で見ていくには、必要なことなのです。不平等にならないよう、全ての先生に当たれる工夫をしています。

1回生、2回生の間は教養科目の単位を取ることが忙しいでしょう。せっかく授業を取ったのに、欠席のせいで単位にならず、またもう一度受講するのは時間の無駄になってしまいます。
大学生になれば、誰も注意を促してはくれません。自分で自分を管理する、それが最初のハードルですね。

続いて各学年別の授業内容も見てみましょう。 






  1回生では、まず話作りの基礎になる脚本編集マンガ史の概論系授業をもとに
デザイン絵画技法デッサンの3科目を中心に「ペンを使って描く」基本技術を学ぶ授業が行なわれます。

 パースの取り方を含め、基礎訓練として「絵」を教えるのは、1回生の授業のみとなります。
もちろん自分のストーリー作品を見てもらう中で、絵に関する指摘も行なわれますので、「絵」の勉強がそこで終わるわけではありません。

 選択授業ではCG基礎演習でパソコンでの塗り方やデザイン等のCGの基礎を学びます。
講師の指摘を受け、学生によっては、3回生になってから1回生の科目である
デッサンクロッキーを、自発的に勉強し直すこともあります。








  2回生では、話作りのスピードと完成度を練るための訓練を中心とした授業になります。

 月曜の制作実習で着彩イラスト・カラーマンガの勉強をする他は、脚本実習と表現技法が連続の授業として、中核をなします。
着彩の勉強もここでしかチャンスがないので、確実に身につけるようにして欲しいと思います。

 火曜〜水曜の脚本実習表現技法の連続授業では、ストーリーマンガの作法をしっかり身につけ、ストーリー作りが日常のことになるよう訓練し、指導します。
決められたテーマに沿って、決められたページ数で、決められた日数内に話を作りあげ、ネーム(セリフとラフデッサンのコマ割り構成)として提出します。その間、講師と対面で指導を受け、フィードバックによって自分のネームの完成度を上げ、修正しながら技術として学んでいく方法です。
かなりのハードさを感じる課題ではありますが、これをクリアすることで、格段に話作りのコツ、発想のコツを自分のものにすることが出来ます。

 選択授業では、CG演習でフラッシュアニメーション、Comic studioを使用したマンガ制作を、
企画演習でマンガをイベント的にどう使うかや、マンガに関連したどんな仕事があるのかを学ぶことが出来ます。







 3回生では、もう完全に自由な制作となり、各講師の持つコースに属しながら、各自の目的に添って、ページ数もテーマも自由に選んで制作し、学生の多くはこのあたりの時点からマンガ業界に投稿することになります。
プロのマンガ家でもある各講師は、それぞれの学生の方向性をサポートし、必要なアドバイスを行ないます。
月・火・水の授業はそれぞれのコースから講師が独自にひらく講座を選べるようになり、自分で1年間の学びをデザインできます。


 選択の授業で、特徴的なのはマンガ制作実務演習(前期)マンガ制作実務研修(後期)です。
これは前期にアシスタント研修のための訓練をして、それを修めた上で、夏休み中などを利用して、実際にマンガ家の制作現場にアシスタントとして研修に行くものです。
後期は、所謂実用マンガの演習で、実際のクライアント(企業や大学など)に、実用マンガによる説明を提案し、マンガを実用的に使用してみることでその実益を感じてもらい、出来れば起用につなげていくという、新たなマンガのビジネス開発を伴ったシミュレーション授業です。
CG演習ではタブレットPC用のマンガ制作を行います。
また、他学科の学生と共に本格アニメーションを学べる夏期集中アニメーション演習があります。








 4回生では、それまでの集大成としての卒業制作が、一番重要な課題となります。
4回生担当の教授のゼミにそれぞれ入り、社会人として巣立つ学生たちの視野を開くため、様々な展示のための実習、また共同制作物を作るための実習などに向かいます。
その中で自分の集大成の作品を何にするかを決定し、実習から学んだことや、気づきを活かして作品に反映します。

 卒業制作は、マンガ作品の場合、卒業制作誌に選抜で掲載、もしくはインターネットで読むことができるようにします。
立体物やパネル展示も京都国際マンガミュージアムで展開する予定です。

 ※マンガ学部生卒業制作はこちらから閲覧できます→HP







  卒業のあと、引き続き大学で研究を続けたい場合には、大学院博士課程前期(マスターコース2年)があります。
これは、その先にある博士課程後期(ドクターコース)へと続く課程で、前期・後期トータルで5年間学びます。2010年からはマンガ学部独自の大学院が誕生いたしました。

 院での授業は大学生にふさわしく、論ずること、書くことが主となります。もちろんマンガを描くことも推奨されますが、それだけではない、ということです。
大学生の頃よりも、研究発表の機会がはるかに増えると思います。社会や他大学との交流も多く、それに対する積極的参加は当然のことです。

 ドクター論文が認められ、ドクター(博士)の資格を得れば、大学講師への道も開けます。このところ、中学・高校における美術教育の中に「マンガ」が取り入れられていることもあって、教職の資格を取る学生も増えてきていますね。